TFCC損傷とは
手首の小指側にある、靭帯と軟骨の複合体のことを「TFCC(三角線維軟骨複合体)」と呼びます。TFCCは手首を安定させる役割を担っています。
このTFCCが損傷した状態が、「TFCC損傷」です。手首をひねる動作の際などに痛みが出て、悪化すると腫れや可動域の制限が出現します。
TFCC損傷の原因
TFCCの主要な原因は、外傷です。手首への強い衝撃、あるいは手首への負荷の繰り返しによってTFCCを損傷します。
具体的には、転倒や作業中の外傷に伴う靭帯損傷が挙げられます。スポーツでは、野球やテニス、ゴルフをしている人での発症が目立ちます。
その他、加齢によって手首の関節が劣化して発症するケースも見られます。
TFCC損傷の症状
- 手首の小指側の痛み
- 手首を小指側に曲げるときの痛み
- パソコン操作、重いものを持つときの痛み
- ドアノブを回すときの痛み
- 動作開始時の手が抜けそうになる感覚
- 手首の腫れ
- 手首の可動域の制限
初期には動作時に痛みが出ますが、悪化すると安静時にも痛みを伴うようになります。
TFCC損傷の検査と診断
問診、触診の上、レントゲン検査、MRI検査などを行い、診断します。
尺側手根伸筋腱の障害や腱鞘炎との鑑別が重要になります。
TFCC損傷の治療
TFCC損傷の治療には、以下のような方法があります。
当院では、TFCC損傷への体外衝撃波治療にも対応しております。
保存療法
保存療法には、装具療法、リハビリテーションなどがあります。
装具療法(患部の安静)
手首への装具の着用によって、患部を安静に保ちます。
リハビリテーション
手首のストレッチや筋力強化、患部修復促進の為の物理療法などを行います。
体外衝撃波治療
手首に外から衝撃波を照射します。TFCC損傷に対する体外衝撃波治療は、自費診療となります。
日本では足底腱膜炎の治療のみに保険が適用される体外衝撃波治療ですが、海外では腱板炎や偽関節・腱付着部炎に伴う疼痛の緩和などにも応用されています。
手術療法
保存療法などで良好な結果が得られない場合には、手術を検討します。
なお手術が必要になった際には、提携する病院をご紹介いたします。
TFCC損傷の予防は?
TFCC損傷の予防では、手首に負担をかけないようにすることが大切です。
以下のような点に気をつけてください。
なるべく手首に負担をかけない
フォームの見直し、練習量の抑制などにより、手首への負担を軽くするようにしましょう。
サポーターの着用も有効です。
準備運動・アイシング
運動前には、しっかりと手首の準備運動を行います。
また、軽視されがちですが、運動後のアイシングも重要です。特に手首を酷使した場合には、氷嚢や保冷剤を使ってアイシングをする習慣を身につけましょう。