当院で行っている収束型の体外衝撃波の適応についてですが、ますますその効果を期待できる疾患が増えてきました。体外衝撃波の研究会で、ばね指に対しての治療効果、腰椎分離症に対しての骨癒合効果を発表されていました。当院でも数例ばね指に対して行いましたが、全てではないですが改善される症例はありました。腰椎分離症に対して2例行いましたが、進行期後期から終末期に近い程度の高い分離症であったので、CT画像上での少しの骨癒合は認められましたが、劇的な効果を認めていません。今後症例を選ぶ必要があると思いました。石灰沈着性腱板炎や手の石灰沈着症に対して行いましたが、発表されていた先生の印象通り、完全に固体化してしまった石灰化は改善しにくいですが、まだ半分液体でエコーで押してみると柔らかい石灰は吸収消失が期待できます。石を砕くようになくなっていくのではなく、吸収を促す治癒機転が働き徐々に吸収されていくものと思われます。それ以外でも肩の関節鏡視下関節唇術後の疼痛や半月板損傷術後の疼痛に対しても、いわゆるクリーニング手術の後の残存する痛みに対しては効果が期待できます。術後の癒着など関節内や関節に近い奥の部分に衝撃波が届くので表面しか効果がない物理療法で改善しないようなものに対しては効果的ですね。手術後の残存する疼痛でお困りの患者様がいればやってみる価値はあります。特にシーズン途中でなかなか時間が取れなくて、速効性のある治療効果を期待できる方法です。いずれにしても物理療法や鍼灸治療などでいくらやっても効果が認められない選手や患者さんは一度相談してください。もちろんすべての症例に効くとは限りません。
当院にある体外衝撃波は収束型の体外衝撃波です。拡張型の体外衝撃波とは治療効果など全く違いますので是非お間違えの無いように注意してください。