離断性骨軟骨炎とは
離断性骨軟骨炎とは、膝関節や肘関節、足関節において、軟骨が剥がれてしまう疾患です。
小中学生に多く、そのうち特に男子に好発します。
軟骨が剥がれて変性が進んだものは元に戻すことができないため、早期発見・早期治療が重要です。
離断性骨軟骨炎の原因
スポーツ中に繰り返される膝関節・肘関節・足関節への負荷、外傷などによって、軟骨下の骨に負担が重なることで血流障害・壊死を起こし、発症します。
離断性骨軟骨炎の症状
離断性骨軟骨炎は、膝関節、肘関節、足関節に好発します。
進行するにつれて、痛みが増大していきます。
- 運動時の関節の痛み、不快感
- 関節の曲げ伸ばしの際の引っかかる感じ
- 関節が動かない(ロッキング)
離断性骨軟骨炎の診断と検査
問診、触診の上、レントゲン検査、CT検査、MRI検査などを行い、診断します。
離断性骨軟骨炎の治療
保存療法
安静
発育期で骨軟骨片が安定している場合には、装具やギプスなどを使用し、関節を安静にすることで自然修復が期待できることがあります。ただその期間は数カ月、長ければ1年以上に及ぶことがあります。
リハビリテーション
患部への負担を軽減するために、可動域訓練や筋力トレーニングなどを行います。
骨の状態が改善されるまでの期間リハビリテーションを行うため、長期間に及ぶことがあります。
物理療法
骨の修復を助ける作用のある低出力超音波を行います。
体外衝撃波治療
身体の外から衝撃波を患部に照射することで、痛みの原因となる物質を減少させ、除痛を図ります。また同時に、組織再生因子の増加、血管の再生の促進といった作用が、組織の修復をもたらします。
手術療法
症状が進行しているケースは手術が検討されます。
なお、手術が必要になった場合には、提携する病院をご紹介します。
離断性骨軟骨炎の予防は?
離断性骨軟骨炎の予防のためには、運動時に膝関節、肘関節、足関節の負荷をかけ過ぎないことが大切です。
練習量の調整
オーバーワークになり過ぎないよう、練習量を調整しましょう。
お子様の場合は、指導者、保護者様によるアドバイスも大切です。「練習を休みたくない」「試合に出たい」という想いがあっても、無理をさせてはその後の長期離脱につながることがあります。
定期的な検診
好発年齢である小中学生の間は、スポーツごとの負荷のかかる関節の定期的な検診をおすすめします。
検診では、一切の被ばくのない超音波検査を行います。
当院ではチームごとの検診を実施しています。お気軽にご相談ください。
サポーターの着用
負荷のかかる関節へのサポーターの着用は、離断性骨軟骨炎の予防に有効です。