半月板損傷とは
大腿骨と脛骨の間、膝関節内には、膝にかかる負荷を軽減する役割を担う「半月板」という線維軟骨が存在します。
半月板損傷とは、この半月板に亀裂が入ったり、欠けたりした状態を指します。若い方からご高齢の方まで発症しますが、スポーツ中のケガとしてよく見られます。
半月板損傷の原因
スポーツ中のケガとして発症するケースでは、急なストップ、ターン、ジャンプの着地などの際に半月板が損傷することが多くなります。
また、加齢によって衰えた半月板に、外力が加わったときに発症する場合があります。
その他、先天的に半月板が大きく分厚いために、関節の中で引っかかりを起こしやすいものも見られます。
半月板損傷の症状
主に、以下のような症状が見られます。悪化すると、急に膝の曲げ伸ばしができなくなることもあります(ロッキング)。
- 膝の曲げ伸ばしの際の痛み
- 膝をまっすぐ伸ばせない
- 階段の上り下り、屈伸運動で「ゴキッ」という異音がする
- 歩行時、走行時の痛み
- 突然、膝の曲げ伸ばしができなくなる(ロッキング)
半月板損傷の診断と検査
問診や触診の上、MRI検査を行い、診断します。
MRI検査では、半月板損傷の病態だけでなく、合併することのある靭帯損傷の有無も確認できます。
半月板損傷の治療
保存療法
安静
サポーターやテーピングなどで、患部の安静を保ちます。
薬物療法
消炎鎮痛剤や湿布を使った薬物療法を行います。
リハビリテーション
痛みに合わせて可動域訓練やストレッチ、筋力トレーニングなどを行います。
注射
ヒアルロンの関節内注射が有効になることもあります。
体外衝撃波治療
衝撃波を身体の外から膝へと当てることで、傷ついた組織の修復が促されます。同時に、痛みの原因となる物質が減少することから、除痛効果も期待できます。
PRP療法
患者様の血液からPRP(多血小板血漿)を抽出し、膝関節へと注入します。
PRPに含まれる成長因子が、損傷した組織の修復を促します。
手術療法
関節鏡を用いた半月板切除術や修復術などが行われます。
なお、手術が必要になった場合には、提携する病院をご紹介します。
半月板損傷の予防は?
半月板損傷の予防では、膝まわりの筋力、柔軟性を維持・向上させておくことが大切です。
ストレッチ・筋力トレーニング
膝まわりのストレッチ、筋力トレーニングを行うことで、筋力と柔軟性を維持・向上させます。
筋力トレーニングでは、痛みのある場合は無理をせずに症状に合わせて強度を調節します。