膝蓋腱炎(ジャンパー膝)とは
ジャンプやダッシュといった、膝の曲げ伸ばしの繰り返しを主な原因として発症する疾患です。
膝のお皿を「膝蓋骨」と呼びますが、この膝蓋骨の腱が傷つくことで、膝の前面に痛みが出ます。
部活やサークルなどでスポーツをする方が発症しやすいです。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の原因
主となる原因は、ジャンプやダッシュなど、膝の曲げ伸ばしの動作を繰り返すことです。
ジャンプもダッシュもさまざまなスポーツで行われる運動ですが、中でも特にバスケットボール、バレーボール、サッカー、野球、陸上の短距離・長距離・走高跳の選手の発症が多くなります。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の症状
主に、膝の前面で痛みを感じます。片膝のこともあれば、両膝のこともあります。 痛む・痛むが強くなるタイミングとしては、以下のようなものが挙げられます。悪化すると、日常生活にも支障をきたすようになります。
- ジャンプをしたとき
- 走っているとき
- 階段の上り下りをしているとき など
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の
診断と検査
問診、触診の上、レントゲン検査、超音波検査などを行い、診断します。
腱の損傷の程度を調べるため、MRI検査を行うこともあります。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の治療
保存療法
物理療法
血行改善、疼痛の緩和を図ります。物理療法機器によっては細胞の修復を促す効果も期待できます。
リハビリテーション
大腿四頭筋の柔軟性の向上、股関節や体幹の筋力トレーニングは、再発予防に有効とされています。
体外衝撃波治療
衝撃波を患部に照射し、短期的な疼痛の緩和、長期的な組織の修復を期待します。なお、現在のところ体外衝撃波治療が保険適用となるのは足底腱膜炎に限られ、膝蓋腱炎に対して行う場合には自費診療となります。
海外ではすでに腱板炎や偽関節・腱付着部炎に伴う疼痛の緩和を対象として幅広く体外衝撃波治療が行われています。
PRP療法
患者様から採取した血液を抽出加工して作るRPP(多血小板血漿)を、患部に注射する治療です。
PRPに含まれる成長因子が、傷ついた組織の修復を促進します。
膝蓋腱炎(ジャンパー膝)の予防は?
膝蓋腱炎の予防では、以下のようなことが大切です。
練習量の調整
ジャンプ、ダッシュといった動作の繰り返しが原因となるため、練習量を適切に調整することが大切です。
指導者と相談し、年齢、身体の成長に合わせた無理のないメニューに取り組みましょう。
サポーターやテーピングよる保護
膝に巻くサポーターがあり、その着用は予防に有効と考えらえます。
テーピングも、正しく巻けば有効ですが、誤った方法で行うと、逆効果になることもあるため注意が必要です。
ストレッチ
太もも前面を伸ばすストレッチは、膝蓋腱炎の予防に有効です。練習の前後、あるいは普段から、取り組んでみてください。
アイシング
膝を酷使した練習のあとには、必ずアイシングをするようにしましょう。